剣道時代 2002.4より引用
誘われたからといって、安易に出稽古に出かけるべからず
最初に気をつけるときは、まずここだ。何が言いたいのかと言うと、「必ず下調べをしてから出かけなさい」と言うことだ。ありふれたことだと思うのだが、意外にこれができていない。
現代剣道は、まれに全剣連とは違ったスタイルの稽古をしている団体があるが、他の武道に比べて「流派」と言うものが存在しない。よって防具ひとつ担いでいけば、全国どこの団体でもまず問題なく稽古ができるはずだ。しかし、だからといって誘われるままに出かけていくのではあまりにも無謀だ。まずは下調べが大切なのだ。
紹介者から長(責任者)の先生の名前や段位、剣歴、剣風、会の運営に対する考え、現在の剣連での役職などをお聞きし、その他指導陣や会員のレベルや年齢などの構成も頭に入れておく必要があるだろう。
紹介者がそこの長でない場合は、紹介者に事前に長に口を利いてもらい、出稽古の内諾を取っておくことが大切だ。紹介者のその団体での地位や役職によってあなたへの態度が違ってくるとも言える。 あなたが紹介者である場合も同様だ。自分勝手に「出稽古にどうぞ」はとんでもない事態を引き起こすことがある。必ず団体の長に断っておくのがマナーだと言うことを覚えておかなければならない。
紹介者があなたよりも段位が上だった場合はそんな心配は無いだろうが、下位者で若い人だったとしても、紹介者に対して高慢な態度をとる事は厳禁だ。その団体の人は紹介者の顔に免じてあなたを受け入れてくれているだけで、積極的に歓迎されているとは限らない。あなたが紹介者に接する態度を見て、あなたの事を値踏みしていることが十分に考えられる。指導者として招かれた場合は、さらに注意が必要なことは言うまでもない。